国際学会(English)KEAS’08 (2008,11) 発表した梗概
深い絵画 のアンケート結果
(全部で約70名 ⇒ 信頼性選んで33名 3枚/人)
世界の絵画の中から最も感動する3枚を選んでもらった。評価者は70名を超えたが、評価がばらつかない約33名の結果を5グループに分けた。それは、 自然、造型、像、絵画の美しさに感動する、と、“もう1段深い” で分類してみた。例えば、ある有名絵画は、当然ながら美しいが、こころに深いものを伝えてくれるか? を問うた。 ここには、“もう一段深い” のみ掲載する。
「結果」 どれも2~3票以下だったが、松林図のみは、7票(ダントツ)だった。
“もう一段深い”
阿修羅像
松林図 長谷川等伯
対峙した時、墨絵を見るというより、こころが中に入っていく。中央奥の雪山に着くころには、生命感を感じなくなる。幽玄。(黒、γ を微調整しても、コピーではその感は出ない。絵の中に入る気持ちが起きない)。
有名な国宝とも知らなかったのですが、「ショック」を受けました。
・月光菩薩
弥勒菩薩 広隆寺
娘をオペラ歌手に育てられた、工芸融合プロジェクトの上の立場の先生のご夫人は、「泣いてしまいました」の評です。暗やみで黒、γをきっちり合わせて表示。どなたも1分以上じっと見ている。「これ一枚で展覧会出来る」とという。
・モナリサ(省略)
円空
イレーヌ ルノアール
感性へのアプローチとして、生命、性をキーワードに挙げられておられる点は、私も同じ立場のようです。
私の感性に対する基本的な視点は、感性とは、フィジカル、メタフィジカルを問わず、「包まれる」ことにあります。
従って、フィジカルには、感性は触覚、つまり「触る」ことが基本です。また、メタフィジカルにはイメージとしての「母性」に関わります。
青いターバンの女 フェルメール
惹かれるのは目の輝きです.少女マンガのように「きらり」というのではなく,何か引き込まれそうな,少女が大人の女になり始めて目の奥にその神秘的な何かが現れているような,でも,まだいたずらっぽさが残っているような,
その微妙な雰囲気が好きです.
フェルメールのこの絵は良く取り上げられて,雑誌とかにも印刷されているのですが,本物以外でこの目の輝きが再現できているのを,今まで見たことがありません.
・東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画の中の「山雲」
横浜美術館で開催の「東山魁夷展」で遭遇。
感動で涙しました。
- 載せていない約100枚の絵画各々について、各評価者の想いを記した素晴らしい評があります。
- なお、この調査の他の趣旨は、人の基本は、一番深い、生命、性の維持、本能的感覚、それと直結の ”好き嫌い”、が基になると思う。 それを知ることによって、(相手がどのグループに属する人かを知れば) お互いのコミュニケーションがうまく行くはずと思うからである。
–人は好きなことしか発想しないし、一所懸命行動しない、から–
追記;
・ 何となく気が合わないと思って人は やっぱりイメージが違うことが分かった気がする。それ以上に、伝わらない人は、イメージで考えてないようだ。考えてから返事する、という人もイメージに基づいて、行動等をしていないようだ。
ー一所懸命説明して伝わらない時、わかってもらおうとしてそれ以上してはいけない。深いところで美感覚の異なる人には無理しない。友を失う。教訓ー
・個人情報について;・美術をやっている人は、財産とかは別ですが、個人情報を知られるのは全然怖くないようです。 自分が美しいと思うものを世の中に見てもらって、問うているんだからと思います。
・「秋葉原の自分、周辺の人は そんなこと考えた事もない。答えられる人はいない」。—とのことです。
みやはら
更なる研究:心理物理的研究
[輝き感]
500×640 画素の旧TVでは、ある程度広がりのある明るい画素の塊が ”照り”を出すと言われた。2000×2000の解像度がある画像では、独立輝点が輝きを出す。お化粧で、ダイアの粉を使う効果と同じか。
輝点の画像 → model.highestfreq
[γ 値 でこれほど表現が異なります。]
標準は2.2ですが、一般的に高過ぎて、画像が硬くなる。我々の最適値は約2.0。
こっちでしょ?
奥行き感、自然さ 表現の予備実験
CANON Z シリーズ (無理な強調、目が疲れる)
Panasonic LUMIX (奥行あり、自然で目が疲れない)
点広がり関数として、ガウス関数系が良いと思います。この関数は自然界を代表していると思います。微分して、積分して、ガウスが変わらない。
LUMIX(lenseはLeica:テッサータイプ)で撮影。
これまでの結論:
[空気感、奥行き感には テッサータイプ lens 。
点広がり関数が ガウス形です。Leicaのlenseがそうで、「Leicaは空気が写る」と言ったのは、著名故木村伊平衛。予備実験で示したように、通常のデジカメでは、以下の厳選画像ほどに、空気感、奥行き感(立体感)はないとおもいます。 現代人は、この基本をわからず、安易に、輪郭強調型の画像を好む。 よって、そういうレンズが多種出ている。信号での強調もある。そうすると、奥行(立体感)が壊れて、単に平板なだけでない不自然な画像となり、目が疲れる。
以下、ウエブサイトより無断拝借。奥行き感、自然さが素晴らしい。クレームあれば除去します。すみません。
問題の発掘
立体感等の比較
CANON NIKON SONY
画像の本質は画素数じゃないと TAKARA(おもちゃカメラ)に書いてあります。(テッサータイプlenseと思います。その他にも)。
「そんなので写るの?」–自然な表情。
カメラ開発者に脱帽。
以上。